詩集

せみ---Cicadas

今日も一匹
アスファルトの上に 落ちている
暑い夏を 生ききって
また一匹 落ちている

 

アスファルトの下
出て来られなかった 仲間の上で
この夏を 生ききった 仲間が
今年も静かに 横たわる

 

ゆらぐアスファルトの上
短い夏を 生ききって

 

今日もまた
一匹 落ちている

学生時代、木陰の通学路の一部がアスファルトで埋め直されているのを見て、思いついた詩です。 よくよく考えると残酷な話ですよね。

2003 掲載(2009 あとがき追加)

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