散文100のお題

003. 間(2)

揺れ動く、ゆらゆらと。

行きかけて引き返し、前へ出て後ろへ下がり、ゆらゆらと漂う。 遠くと近く、広いと狭い、大きいと小さい、あなたとわたし。

距離。

空間。

仕切り。

溝。

 

静寂。

居場所。

時の流れ。

ゆとり。

目に見えるものであり、目に見えないものであり、どこかに必ず存在するもの。 動くものであり、動かないものであり、常にゆらゆらとまとわりつくもの。 無くてはならないものであり、無くても問題ないものであり、どこにでもあるもの。

 

手を伸ばせば与えてくれるものであり、与えてくれないもの。 この手から奪い去ってゆくものであり、返してくれるもの。

そこにある。

目を凝らせば。

硬いもの。

動かずに、じっといる。

あやふやなもの。

陽炎のように揺れ動く。

間(1)は「視覚に訴える系」を試みたのですが、レイアウトが崩れすぎて使い物にならず諦めたのです。 お題のために別に一本書き直したので、間(2)となりました。

2005.04.01 掲載

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